UQモバイルは、格安SIMの大手だ。UQモバイルはau回線を使っていて、KDDIのグループ会社であるUQコミュニケーションズが展開している。
事実上auの”サブブランド”であるUQモバイルは、他の格安SIMではできない圧倒的速度の通信速度が特徴だ。
さらにキャリアメールアドレスも使えるなどキャリアのようなサービスを展開しつつ、通信量の繰り越しや低速モードなど格安SIMらしいサービスも取りそろえている。
このようにメリットは尽きないUQモバイルだが、今回はあえてUQモバイルの「デメリット」に注目する。デメリットも知ったうえで契約を検討しなければ、意味はない。
UQモバイルを契約するにあたり気になる注意点の数々を紹介していくので、契約を検討している人は参考にしてみてはどうだろうか。
UQモバイル、サービス・料金面でのデメリット
まずは主にサービスや料金面でのデメリットから解説する。
通信速度や細かい機能が充実しているため、比較的サービス面でのデメリットは少ない。UQモバイルのデメリットは、主にサービスに対する料金や制限が中心となってくる。
メイン展開されているぴったりプランやおしゃべりプランは複雑
UQモバイルを検討するにあたって、現在まず契約を考えるプランはおしゃべりプランかぴったりプランだろう。
元々UQモバイルはデータ高速プランとデータ無制限プランの2種類で展開されていたが、その後Y!mobileのスマホプランを踏襲しているこれらのプランが登場した。
一見使いやすい内容に見えるスマホプランやおしゃべりプラン。しかしながらシステムがわかりづらい。
ぴったりプランやおしゃべりプランは2年契約で、しかも自動更新だ。もし2年経った段階で解約しなければ、また2年間は無料で解約できなくなってしまう。
しかも1年目と2年目以降で、月額料金が異なる。1年目と比べて、2年目の月額料金は1,000円高くなるしくみだ。
さらに注意したいのが、仮に3年目も利用を続ける場合サービス内容が貧弱になること。
通信量は2年目までの半分に減るし、無料通話が使えるぴったりプランの場合通話の分数も半分になる。サービスがショボくなったうえでまた2年契約なんて、無駄にもほどがある。
「とりあえずこれを契約すればOK!」みたいな雰囲気を醸し出しているぴったりプランとおしゃべりプランだが、実は格安SIM各社のプランの中でも非常に注意点が多い。
ぴったりプランやおしゃべりプランの通信量のシステムがわかりづらい
ぴったりプラン・おしゃべりプランでは、2年間本来の2倍の通信量を使える。しかしこれも微妙にわかりづらいしくみだ。
実は、ぴったりプランやおしゃべりプランで2倍使える通信量とは「その分の容量チャージ」が無料になるシステムなのだ。
例えば2GB使えるおしゃべりプランSの場合、1GBまで通信すると速度制限が一旦かかる。そこから速度制限を解除する手続きをして、速度を戻すのが1GB分まで無料というわけだ。
最初から2GB使えるしくみなわけではないのがややこしい。これもまた、デメリットと言えるだろう。
おしゃべりプランのかけ放題分数が5分と、Y!mobileなどの半分
UQモバイルのおしゃべりプランでは、5分かけ放題が利用可能だ。とくに専用アプリなども必要なく5分以内の通話はかけ放題になるので、なかなか魅力的なサービスではある。
しかしちょっと待って欲しい。「5分」かけ放題は、実は格安SIMの中でもかなり分数が短いのだ。キャリアでは5分かけ放題が主流だが、格安SIMはそうではない。
・Y!mobile
・OCNモバイルONE
・IIJmio
・mineo
・DMM mobile
・LINEモバイル
・NifMo
などなど、大手の格安SIMは基本的に10分かけ放題を採用している。5分かけ放題を未だに展開している大手は、楽天モバイルとUQモバイルくらいだ。
仮に通話はだいたい5分以内で収まるとしても、他社が10分かけ放題なのに自分は5分となると不満に思ってしまう人はいるだろう。分数については、注意が必要だ。
とくにプランの料金体系がまったく変わらないY!mobileが10分かけ放題を採用しているのは要注意ポイントだろう。料金が同じなのに、UQモバイルはかけ放題が半分だけなのだ。
データ高速プランは3GBしか選べないのが惜しい
UQモバイルでは、実は2年契約のおしゃべりプランやぴったりプランと別に音声通話SIMは1年契約、データSIMなら縛りなしのプランも展開されている。
しかし2年契約でない高速通信可能なプランは、データ高速プランのみである。これは通信量が3GBのプランだ。
通信量が3GBで十分、かけ放題も不要な場合、実はぴったりプランやおしゃべりプランよりデータ高速プランを選んだ方がお得だ。
しかしながら3GBしか選べないため、それ以上・それ以下の通信量が必要な人は選択肢に入れられないのが惜しい。
データ高速プランの存在自体はメリットだが、合わない人は使えないのが残念だ。
大容量プランがない
UQモバイルのプランにおけるデメリットとしてもうひとつ挙げられるのが、大容量プランが存在しないことだ。
UQモバイルで契約できる通信量の最大は14GB。しかもこれは2年間で、契約3年目からは7GBとなる。
キャリアや格安SIM各社のように、20GBや30GBの通信量を選べないのもUQモバイルの注意点だ。
おそらくUQモバイルとしては大容量通信をしたい場合、UQコミュニケーションズが展開している「WiMAX」を契約して欲しいという事情もあるのではないだろうか。
何はともあれ、大容量プランがないのはWiMAXの注意点だ。
データ無制限プランはやや割高、注意点が多い
UQモバイルでは、通信量無制限のデータ無制限プランを契約することもできる。
最大500kbpsで通信できる代わりに通信量が無制限となるのが、データ無制限プランだ。しかしこのプラン、かなり人を選ぶ。
そもそも最大500kbpsという速度は、速くない。例えばYouTubeで動画を見る際に動画一覧の画像を表示するのにもやや時間がかかるし、動画本編もあまり高画質だと再生できないだろう。
料金も月額1,980円(税抜)からというのは、割高だ。どうせ速度が遅いなら、DMM mobileや楽天モバイルの最大200kbpsのプランで良いと感じる人もいるだろう。
データ無制限プランを契約する場合は、仕様をしっかりチェックしておくことが重要だ。
キャリアメールが有料なのは、Y!mobileに劣る
UQモバイルでは、キャリアメールを使える。キャリアメールとは「ドコモメール」などのようなサービスだ。
キャリアメールは、他社のキャリアメールにもメールを送れたり、銀行等の使えるメールアドレスに制限が多いサイトで会員登録ができたりするのがメリットだ。
特にガラケーを使っている人とメールでやりとりする場合、GmailやYahoo!メールだと相手にメールがちゃんと送れないこともよくある。
UQモバイルでキャリアメールを使えば、どんな相手にもバッチリメールを送れる。会員登録の際も有利で、メリットがたくさんだ。
しかし、そんなUQモバイルのキャリアメールは月額200円。Y!mobileなら無料なので、これは痛い。わざわざ有料でキャリアメールを使うのは…と感じる人もいるだろう。
キャリアメールやテザリングが使えない端末もある
UQモバイルではキャリアメールやテザリングが使えるが、実は端末によっては使えないこともある。
動作確認済み端末がUQモバイル公式サイトに用意されているので、事前にキャリアメールやテザリングの対応可否について確認しておく必要があるだろう。
iPhone7以降の端末は動作確認が行われていない
UQモバイルでは、iPhone7やiPhone8の動作確認が行われていない。つまりテザリングやキャリアメールの動作は保証されていないのだ。
そのためUQモバイル以外で購入したiPhone 7や8を使う場合は、機能が制限される可能性もあるので注意が必要となる。
UQモバイルで端末をセット購入するデメリット
続いて、UQモバイルで端末をセット購入するにあたり確認しておきたいデメリットを紹介する。
UQモバイルは、格安SIM各社の中でも端末販売に積極的だ。しかも、端末代金の割引まである。
しかしながら、UQモバイルで端末を購入する際は注意しなければいけないポイントがいくつかある。
割引適用には2年契約のプランを選ぶ必要がある
UQモバイルで端末をセット購入する場合、割引価格で購入したい場合は「おしゃべりプラン」や「ぴったりプラン」を契約しなければいけない。
データ高速プランやデータ無制限プランを契約するとなると、割引きにはならないので注意が必要だ。
端末を割引きで購入するためにはどちらかというと割高、契約期間も長いプランを契約しなければいけないのがUQモバイルの大きなデメリットとなる。
割引きのシステムが2種類あってわかりづらい
UQモバイルでおしゃべりプランやぴったりプランを契約すると端末を割引き購入できるが、このシステムがわかりづらい。
UQモバイルで端末を購入すると、まず端末の分割購入代金が月額料金に加算される。そしてそこから「マンスリー割」が適用されて、実質の負担額になるしくみである。
途中で解約する際は、当然端末代の残債を支払わなければならない。
そして端末によってはこれとは別に、「UQ購入サポート」が適用される。
この場合先に数万円の割引きが適用された端末代金を支払ってしまうシステムで、12ヶ月以内に解約するとUQ購入サポート解除料を請求される。
UQモバイルで端末をセット購入する場合は、割引きのシステムがどちらであるかを必ずチェックしておこう。
iPhone 6sは今から選ぶメリットが薄い、そして高い
UQモバイルでは様々な端末が販売されていて、iPhoneシリーズが販売されているのは大きなメリットだ。
しかし、iPhone 6sは正直今から選ぶメリットはかなり薄いだろう。
既にiPhoneは8が登場済み。6sはおサイフケータイ機能や防水に非対応で、見劣りする。それだけなら良いのだが、価格が6~8万円程度するのは厳しいだろう。
プランの月額料金と合わせると、iPhone 6sをUQモバイルで購入した場合月額料金は4,000~7,000円程度になる。これでは格安とは言えない。
もしUQモバイルでiPhoneを使いたいなら端末だけ中古ショップ等で別に購入するか、もっと安価なiPhone SEを選ぶことをおすすめする。
まとめ
今回は、UQモバイルのデメリットについて解説した。
UQモバイルは通信速度が速かったり機能が充実していたりと魅力的だが、プランの内容にはやや難がある。
特に料金プランはほぼ共通でも、UQモバイルよりY!mobileの方が充実している部分があったり、その逆があったりすることには注意が必要だ。
UQモバイル契約の際は、じっくりとプラン内容や端末の販売システムをチェックすることが大事である。