楽天モバイルは格安SIMの大手で、人気が非常に高い。
確かに、楽天モバイルでは様々なSIMフリー端末を安く買えたり、月額料金が安かったりとメリットがたくさんある。人気が高いのも頷けるものだ。
しかしながら、「人気だから」「安いから」というだけで契約先に決めてしまうのは早計だ。格安SIMにとって、人気と安さは必ずしもメリットになるとは限らない。
今回は、楽天モバイルのデメリットについて徹底的に解説する。
実際に筆者は何度か楽天モバイルを利用しているので、実体験にも基づいた解説を行う。楽天モバイルを契約すべきか迷っているなら、まずこれを読んでじっくり考えてみて欲しい。
楽天モバイルの、サービス・料金面でのデメリット
まずは楽天モバイルの中の、主にサービスや月額料金に関するデメリットや注意点を解説する。
楽天モバイルでは様々なサービスが展開されているが、必ずしもメリットばかりではないことに注意が必要だ。
楽天モバイルは通信速度がイマイチ遅い時間帯もある
楽天モバイル契約にあたり、まず注意しなければいけないのは通信速度である。
格安SIMの中には、通信速度が不安定なものもある。楽天モバイルも、その一つだ。
楽天モバイルの通信速度は、はっきり言って格安SIMの中でも上位の不安定さを誇っていると筆者は感じている。平日のお昼や夜の通信速度がとにかく遅く、大きなストレスだった。
理由として考えられるのは、楽天モバイルの利用者が多いことである。楽天モバイルはMVNO(かんたんに説明すると、格安SIMを展開している会社)の中でも利用者はトップクラスだ。
結果的にドコモから借りた回線にたくさんのユーザーが押し込まれるため、回線が混雑し速度が落ちやすいのである。
いつでも快適な通信速度で通信したいなら、楽天モバイルの契約はおすすめできない。
6GBが主流になった今では、5GBプランが割高
楽天モバイルでは、5GBプランが展開されている。5GBプランの存在自体はデメリットではないのだが、一つここに問題がある。
mineoやOCNモバイルONE、IIJmioなど、多くのMVNOは5GBプランと同じ程度の月額料金で6GBプランを展開するようになった。
しかし楽天モバイルは業界の動きに追随せず、未だに5GBプランを維持している。つまり結果的に、楽天モバイルの5GBプランは他社の6GBプランに比べて容量が少なく割高ということになる。
できるだけ安くたくさんの通信をしたいなら、5GB前後の通信量が必要な場合他社で6GBプランを契約した方がお得だ。
ただし楽天モバイルでは、20GBや30GBの大容量プランを割安で展開している。5~6GBのプランが眼中にない人にとっては、この点はそれほど気にする必要はない。
楽天モバイルの5分かけ放題は他社と比較すると割高
楽天モバイルでは、月額850円で5分かけ放題オプションを利用できる。これはサービス開始当時なら非常に安上がりで魅力的なオプションだったが、今は違う。
IIJmioやOCNモバイルONE、mineoなど、他社は既に料金は同程度で10分かけ放題オプションをサービス開始している。
つまり楽天モバイルの5分かけ放題は、分数が少ないのに料金は他社の10分かけ放題と同じで割高なのだ。
楽天モバイルの端末割引等に魅力を感じていて、めったに5分以上の通話はしないならそれほど気にする必要はない。しかし5分以上通話する機会が多いなら、楽天モバイルは選ぶべきではない。
楽天モバイルのかけ放題は、月額料金が高めであまり安くない
楽天モバイルでは、格安SIMの中でも非常に珍しい分数無制限のかけ放題オプションが展開されている。
要するにこのオプションを契約していれば、いくら通話しても通話料金は追加でかからないわけだ。
かけ放題の存在はとても魅力的なのだが、ここにも一つ問題がある。月額料金が高いことだ。
ドコモ、au、ソフトバンクでは、月額2,700円(税抜)でかけ放題を使える。一方楽天モバイルではどのくらい差があるかというと、わずか320円(税抜)だ。
楽天モバイルのかけ放題は、月額2,380円(税抜)。はっきり言ってこんなに高いなら、「面倒だし最初からキャリアでかけ放題を使ってしまえば良いや」と感じる人も多いのではないだろうか。
楽天モバイルは初期設定がややこしい
格安SIMをスマートフォンで使う際は、「APN設定」という初期設定が必要になる。楽天モバイルでも同様だ。
Android端末の場合設定アプリの「アクセスポイント」という項目に設定を入力すれば、楽天モバイルで通信・通話ができるようになる。iOS端末は専用のURLからデータをインストールすればOKだ。
しかしながら楽天モバイルの初期設定はややこしい。なぜかというと、契約時にわかる「申込種別」によって使用する初期設定のデータが異なっているからだ。
しっかり申込種別を確認して手続きしなければ、正しい手順を踏んだと思っても設定項目が間違っていて通信・通話ができないことに注意が必要となる。
初期設定のややこしさも、楽天モバイルのデメリットとして挙げられるだろう。
mineoなら無料のデータシェアが月額100円
楽天モバイルには、翌月に繰り越した通信量を事前に設定したメンバー同士で共有できる「データシェア」という月額100円(税抜)のオプションサービスがある。
データシェアは家族同士だけでなく友人などともグループを設定でき、楽天モバイル利用者が周りに多いなら有効活用ができる。これ自体はメリットだ。
だが、実はmineoなら同様のサービスを無料で使えるのだ。楽天モバイルの方が結果的に割高である。
プランが増え、契約が複雑になったのもデメリット
楽天モバイルで、2017年9月に新たなプラン「スーパーホーダイ」が追加された。そしてこのプランが、楽天モバイルの中心的な存在としてサイトにも大々的に表示されている。
スーパーホーダイは月額料金が1年目と2年目以降で変わったり、楽天のダイヤモンド会員のみ1年目の月額料金が安価だったりと内容が複雑である。
内容が複雑なプランが増えて、しかもメインになってしまった。これは契約を検討している人にとってわかりづらくなってしまったと言えるだろう。
楽天モバイルの、端末購入におけるデメリット・注意点
続いて楽天モバイルの大きなメリットである、端末の購入におけるデメリットや注意点を解説する。
端末をセール価格で購入できるのは楽天モバイルの魅力だが、ここにもデメリットや注意点が見え隠れしている。
端末を安く購入する場合、最大で3年は気軽に解約できない
楽天モバイルでセール販売されている端末を購入する場合は、同時に契約するSIMカードの契約期間に注意が必要となる。
通話SIMをセットで契約するとデータSIMや050データSIMをセットで契約するよりも端末価格の割引額が大きくなるが、代わりに最低利用期間が12ヶ月に設定されている場合がほとんどだ。
最低利用期間内に解約すると、9,800円(税抜)の違約金が発生する。そのためもし端末だけが欲しくこのSIMカードが不要でも、気軽に解約できない。
さらに楽天モバイルでは「スーパーホーダイ」の契約期間を2年にすることで1万円、3年にすれば2万円ほど端末を安く購入できるが、この場合2~3年間もの長い最低利用期間が設定される。
違約金も、スーパーホーダイの2年契約だと1年目は19,800円(税抜)、3年なら1年目がが29,800円(税抜)、2年目は19,800円(税抜)というようにアップする。
楽天モバイルでセール販売やスーパーホーダイを利用して安く端末を購入する際は、最低利用期間や違約金が高額になる可能性もあるので気をつけなければいけないだろう。
データSIMとセット購入しても、6ヶ月の縛りが発生する場合あり
楽天モバイルでセール販売されている端末はデータSIMとセット購入できるケースも多い。
楽天モバイルは、通常はデータSIMに最低利用期間が設けられておらずいつでも無料で解約できる。
しかしセール端末は、データSIMにも6ヶ月間の最低利用期間が設定されていて、解約時に9,800円(税抜)の違約金がかかるケースがある。
楽天モバイルでセール販売の端末を買うときは、どんな契約形態でも必ず最低利用期間と違約金をチェックし、納得した上で購入しなければならない。
最低利用期間さえ過ぎれば自由に解約できるので、基本的には最低利用期間を過ぎるまで待つこととなるだろう。
まとめ
楽天モバイルには端末のセール販売やかけ放題オプションなど様々なメリットが存在するが、それらのメリットの裏には必ず注意点やデメリットもある。
楽天モバイルを契約する際は、メリットだけを見ずにデメリットもしっかり確認することが大事だ。