基本的にクレジットカードのような審査の必要がなく誰でも発行でき、クレジットカードのようにネットや店舗での支払いに活用できる便利なデビットカード。
しかしデビットカードは、必ずしもメリットばかりではない。クレジットカードならできることでも、デビットカードではできないことがある。
今回はデビットカードとクレジットカードの違い、そしてそれぞれどんな人・用途におすすめかを解説する。
デビットカードとクレジットカードは似て非なる物で、それぞれ使い分けるものだ。
「クレジットカードみたいに使えると聞くし、デビットカードでいいか」と考えている人は、チェックしてみて欲しい。
Contents
デビットカードのメリット
まずはデビットカードのメリットから解説する。デビットカードは実際のところ、確かにメリットが豊富だ。
国際ブランド対応で、クレジットカードのように使える
デビットカードは、VISAやMaster Card、JCBといった国際ブランドに対応しているものが数多く存在する。
これらの国際ブランドに対応しているデビットカードは、コンビニやスーパーのような実店舗に加えてネットショップでもバリバリ活用できる。
クレジットカードが使えるお店なら、「基本的には」デビットカードも使える。これは大きなメリットだ。ただし注意点も多いので、デメリットの項目などもしっかりチェックして欲しい。
18歳未満や学生でも気軽に発行可能
デビットカードは、クレジットカードを発行できない年齢でも発行できるケースが多い。
各社で対応は異なっているが、本来クレジットカードを発行できない年齢の人でもデビットカードを発行できるのは大きなメリットだろう。
何しろ現代の、特にネットでの買い物はクレジットカードが必須なケースが多い。ゲーム機で配信されているゲームを購入したり、Amazon等で買い物をしたりするなら、クレジットカード払いが基本である。
年齢制限の緩さも、デビットカードのメリットだ。
クレジットカードのような審査がなく、誰でも発行できることが多い
制限が緩いのは年齢だけではない。デビットカードは、クレジットカードのような厳重な審査が行われないケースがほとんどだ。
諸事情でクレジットカードを発行するのが難しい場合でも、デビットカードなら問題なく発行できることも多い。これもまた、デビットカードのメリットと言えるだろう。
ポイントやキャッシュバックサービスが用意されているものもある
デビットカードにも、クレジットカードのようにポイント還元やキャッシュバックサービスが用意されているものもたくさんある。
例えばジャパンネット銀行のデビットカードなら、「JNBスター」や「Tポイント」が利用金額に応じて還元されるしくみとなっている。
通常の現金払いよりお得に買い物できるのも、デビットカードのメリットと言えるだろう。
基本的に年会費などはかからない
デビットカードでは、クレジットカードのように年会費がかからないケースも多い。
中には三菱東京UFJ銀行(通常年会費1,080円)のように例外もあるが、基本的にほとんどは年会費がかからない。
クレジットカードには年会費がかかるものも多いが、デビットカードは少ない。負担がかからないのも、デビットカードのメリットと言えるだろう。
デビットカードのデメリット
続いてデビットカードのデメリットについて解説する。
デビットカードはクレジットカードのように使えるが、完全にクレジットカードと同じなわけではないことに注意が必要となるだろう。
分割払いやキャッシングには対応していない
デビットカードは、分割払いやキャッシングに対応していない。銀行口座から利用金額が即座に引き落とされるしくみで、一括払いにしか対応していないことに要注意だ。
例え何十万円もする高額な買い物をするときでも、分割払いはできない。あくまで一括払いしかできないのが、デビットカードの注意点である。
当然ながら口座に残高がなければ支払いを行えない
デビットカードは支払いの際に口座から残高が引き落とされるしくみだ。
このシステムである関係上、当然だが口座にあらかじめ残高を預金しておかなければいけないことに注意が必要となるだろう。いくら予算があっても、残高がなければ意味はない。
何か買い物をするタイミングでうっかり入金を忘れていて買い物ができない!という非常事態に陥ってしまうこともある。気をつけて使わなければいけないだろう。
月額課金のサービスに非対応なケースも多い
デビットカードは、月額課金のサービスに対応していないことが非常に多い。
残高に預金がなければいけないシステムなので確実に料金の引き落としができるわけではないため、各社から警戒されているわけだ。
例えば公共料金や携帯電話料金の支払いなど、月額課金のサービスは色々ある。それらに対応しておらず、支払いに設定できないこともあるのが要注意ポイントだ。
また楽天モバイルは楽天銀行のデビットカードに対応している…というように、特定のデビットカードにしか対応していないサービスもある。こちらも気をつけなければいけないだろう。
稀に即座に引き落とされないことがあり、不便
デビットカードを使ったことがある人は経験があるだろう。即座に残高から利用料金が引き落とされるのがデビットカードの特徴だが、稀にそうならないこともある。
即座に口座から残高が引き落とされないと、タイミングのズレのせいでその後に何か支払いを行なった時などにうっかり残高不足を引き起こしてしまうなどのトラブルが起こり得る。
デビットカードを利用する際は、口座にできる限り多めに入金しておき残高不足を防ぐように気をつけなければならないだろう。
即座に引き落とされない支払いがたまに発生するのは、デビットカードの難点だ。
クレジットカードのメリット
続いてデビットカードと違い、クレジットカードにはどんなメリットがあるのかを解説する。
基本的にデビットカードのデメリットは、クレジットカードならほとんど対処できる。
2回払いや分割払いができる
クレジットカードは、一括払いにしか対応していないデビットカードと違って2回払いや分割払いを利用できる。
パソコンや高いバッグなど高額な買い物をするときも、クレジットカードなら安心だろう。
ポイントサービスも充実度が高い
クレジットカードは、デビットカードと比べて全体的にポイント還元率が高い。
例えば楽天カードやYahoo!JAPANカード、オリコカード THE POINTなどは1%還元。さらに高い1.2%還元の、リクルートカードもある。
また貯まったポイントをamazonギフト券やiTunesギフトなどと交換できたり、Suicaにチャージできたりなど、各社で様々なポイントの活用法がある。
ポイントサービスの充実度は、圧倒的にクレジットカードの方が高い。
優待サービスや割引サービスがあることも
セゾンカードを使えば毎月5日・20日における西友やリヴィンでの買い物において、支払い金額が5%オフになる。
イオンカードならイオンでの買い物においてポイントが2倍の還元になったり、20日・30日は5%オフで買い物ができたりする。
このように、クレジットカードには優待サービスや割引サービスが充実しているものもある。
デビットカードよりさらにお得に買い物できるのは、クレジットカードのメリットだ。
月額課金のサービスでも使える
デビットカードは、公共料金や携帯電話代の支払いに使えないこともある。
しかしクレジットカードなら、クレジットカード払いに対応しているサービス・店舗ならどこでも一切の制限なしに使える。
デビットカードに存在する余計な制限が一切ないのが、クレジットカードの便利さだ。
クレジットカードのデメリット・注意点
続いて、クレジットカードのデメリットを解説する。クレジットカードには気をつけたいデメリットも存在するので、覚えておこう。
デビットカードと比べて劣っている点も、クレジットカードには主に3つ存在する。
年会費がかかるものもあるので注意!
クレジットカードの中にももちろん年会費が無料のカードはたくさんあるが、その一方で年会費がかかってしまうものもたくさんある。
デビットカードはごくわずかな例外を除いて年会費など余計な負担はないので、これはデメリットとして挙げられるだろう。
余計な負担をかけたくないなら。年会費がかからないクレジットカードを発行するように気をつけよう。
限度額以上は使えない
デビットカードは口座の残高=利用可能額だが、クレジットカードは残高を問わず使える代わりに毎月利用可能な金額が設定されている。
つまりクレジットカードは利用可能額、いわゆる限度額以上は使えないシステムとなっているのだ。これは要注意ポイントとなるだろう。
例えば20万円が限度額に設定されているクレジットカードでは、30万円のパソコンは買えないわけだ。
また例え10万円のスマートフォンを買うとしても、限度額20万円の場合他に11万円買い物をしていたらアウトとなる。
ただしクレジットカードには、利用可能額を一時的に増枠してもらえるサービスがあったり、限度額そのものを引き上げられるしくみがあったりする。
これらのサービスで対応できることを覚えておけば、限度額についてはそこまで大きなデメリットにはならないだろう。
審査があり、誰でも無条件で発行できるわけではない
デビットカードには基本的に審査がないが、クレジットカードには審査がある。誰でも無条件でクレジットカードを発行できるわけではない。
また審査の難易度は、クレジットカードごとに異なる。クレジットカードを確実に発行したいなら、できるだけ審査の難易度が低めのものを調べるのがオススメだ。
審査の存在は、審査のないデビットカードと比べてしまうとやはり大きなデメリットである。
デビットカードにおすすめの用途・どんな人におすすめ?
続いて、デビットカードでの支払いがおすすめになる用途について解説する。
ここで紹介する用途のためにデビットカードが必要なら、発行すると良いだろう。
限度額の調整など、クレジットカードの補助的な利用におすすめ
筆者はデビットカードとクレジットカードを2枚持ちしている。様々な事情でクレジットカードを利用するのが面倒な時は、デビットカードを使うようにしている。
例えば少し後にパソコンなど大きな買い物をする予定がある場合、クレジットカードでなんでも支払っていると肝心な時に限度額が足りなくなってしまう恐れがある。
そんな時は補助的に、デビットカードを使って買い物をしている。
また高額な買い物をする機会が多い月も、あとからまとめて口座から引き落とされるタイミングで手違いから残高不足!となるとちょっと怖い。
そのためあえてすぐに引き落とされるデビットカードも併用して買い物をすることがある。
このようにクレジットカードの補助としてデビットカードを用意しておくと、なかなか便利だ。
クレジットカードが発行できないときに発行する
デビットカードは便利だが、利用できるサービスに制限がある。支払い方法にも制限が多い。
そのためクレジットカードを発行できるなら、基本的にそちらを使った方が良いわけだ。しかし過去に借金があったり年齢的に無理だったりなど、色々な理由でクレジットカードを発行できない人もいる。
クレジットカードを発行できないのであれば、これは仕方がない。デビットカードを発行するしかないだろう。
クレジットカードにおすすめの用途・どんな人におすすめ?
最後に、クレジットカードでの支払いがおすすめ・あるいはクレジットカードでしか基本的に支払えないような場面を紹介する。
ここで紹介する支払いを行うことがあるなら、クレジットカードを持っていた方が良いだろう。
携帯電話や電気料金など毎月の支払いに使うならクレジットカードを!
電気料金やガス代、動画配信サービスや携帯電話料金など毎月支払うタイプのサービスは、クレジットカードを使うと良いだろう。
というより、この手のサービスはクレジットカードは使えてもデビットカードはNGなケースが多い。普通のクレジットカードなら余計な制限がないので、安心だ。
高額な買い物をするなら、分割で購入できるクレジットカードが圧倒的に有利
限度額には注意が必要となるが、クレジットカードなら高額な買い物の際に分割購入を選べるのが有利だ。
人間、時には一括払いでは支払えないような高額なものを購入する機会もあるものだ。デビットカードなら残高に全額用意されていなければ買えないので、大変である。
クレジットカードなら分割払いができるので、高額な買い物をする際も安心だ。ただし分割払いの際は手数料がかかってしまうこともあるので、多用は避けたい。
クレジットカードの方が、お得にポイントを貯められる
ポイントをたくさん貯めたい人は、クレジットカードを発行した方が圧倒的に有利だ。1%やそれ以上のポイント還元は、デビットカードではまず受けられない。
普段の買い物は極力クレジットカードで行うようにすれば、ポイントを怒涛の勢いで貯められる。
まとめ
デビットカードは確かに便利だが、クレジットカードに比べるとどうしても制限が多くなってしまう。
そのためデビットカードは、どうしてもクレジットカードが発行できない事情でもない限り必須ではない。
しかしクレジットカードは、もはや必須だ。このインターネット時代、クレジットカードがなければ快適に日常生活は送れないと言い切ってしまっても良いくらいである。
デビットカードも何かと便利だが、どちらか一枚を発行するならまず選ぶべきはクレジットカードだ。
クレジットカード発行後、サブとしてデビットカードを併用するのが良いだろう。