清掃の仕事というとどんなイメージを持つだろうか。一般的には誰でもできる仕事のようなイメージがあり、低く見られることが多いだろう。実際求人募集を見ても、募集年齢の上限がなかったり、中高年や定年退職した人が第二の仕事として働いている現場も少なくはない。
仕事自体も汚いものに触れたり、時には重いものを移動させたりと現場によっては重労働を伴うこともあり、給料もさほど高くはないというのが現実だ。
また給料も低く見られがちだがどちらかと言えば、給料自体が安いというよりは、昇給がしにくい、給料が上がりにくいといった方がいいかもしれない。現場で働く人に中高年や高齢者が多いのはそのためだろう。
では20代、30代、40代ぐらいの年代で清掃業に就いている人はどれくらいいるか?ということだが、基本的には多くはない。
しかしストレスを抱える人間が増えている現状、それほど人と関わる必要がなくて、ややこしい人間関係も比較的少ない清掃業に就きたいと考えている若者は密かに増えているようだ。
もちろん雇う側からしてみれば、重い荷物を運んだりするには若者のほうが有難いし、車で移動する場合はドライバーも兼ねて雇うこともできるからだ。そういう意味でもある程度気力も体力もある20代、30代、40代ぐらいまでの人材は比較的採用されやすいとも言える。
では主な清掃業をいくつか挙げてみよう。
Contents
主な清掃業
いくつかよく求人に出ているような主な清掃業について書いておこう。実は清掃業と一口に言っても小規模から大規模まで様々だ。また若手を必要としている仕事もたくさんあるぞ。
ビルや商業施設などの清掃業
これは掃除というよりは管理やメンテナンスに近い仕事かもしれない。特に大きなビルの場合は、外壁や窓の清掃も含まれるため、誰でもできるという訳ではない上に危険も伴う。また会社や店舗などが休みの夜間などに行なわれる場合が多い。
ハードな部分もあるが、比較的給料が多い会社も少なくない。なおビルメンテナンスに至っては関連の資格などを取得すれば手当てがもらえることもある。こういった清掃業は絶対になくならないため、正社員として長期的に働くことが可能だ。
ハウスクリーニング
名前の通り一般家庭の清掃だ。と言ってもお手伝いさん的なものではなく、家庭ではできないクリーニングがメインだ。具体的に言うとエアコンや換気扇、全自動洗濯機などだ。特に夏場のエアコンクリーニングなどはかなり需要が高いため、求人もかなり出ている。
賃貸住宅やマンションの退出時の清掃
引越し経験のある人なら分かると思うが、誰かが住んでいたマンションなり、一軒家なりから退出する場合、次の入居者のために中はすべてクリーニングされる。部屋の状態にもよるが、室内のクリーニングだけでなく、壁紙の張替えや必要であればフローリングなどの補修や張替えなどの仕事もある。退出する側も部屋をある程度きれいにしておかないとクリーニング費用などの名目で請求される(または預けている保証金から差し引きされる)ことがあるので、比較的きれいなことが多い。
特殊清掃(夜逃げや孤独死)
上に挙げた賃貸の退出時の清掃の中にはきれいなものばかりではなく、特殊な現場もある。借金に負われて逃げた後のアパートや孤独死した部屋の掃除などだ。もちろん死体を片付けるわけではないが、血が着いていたり、臭いがキツイ現場も多い。夜逃げのような現場はたいていゴミは散らかり放題といったことがほとんどだ。給料は高いかもしれないがかなり心身ともにハードな仕事だ。
駅構内やデパートなどの商業施設のトイレ清掃
一番良く見かける掃除員と言えば、トイレなどで掃除しているおばちゃん達ではないだろうか。駅はもちろん商業施設、サービスエリアなどいろんなところで仕事をしている。給料も高くなく、かつハードな仕事でもある。若者はほとんどいない。
遺品整理や不用品回収
清掃業とは若干ずれるかもしれないが、引越しの時、オフィスや店舗などの移転の時、必ず不用品と言うのが出てくる。そういう時に便利なのが不用品回収である。同時に遺品整理なども需要があるため、合わせて仕事をしているところも多い。それほど汚い現場ではないかもしれないが、ソファやベッドなど大きなものを運ぶことが多いため、体力は必要だ。
新幹線や特急電車などの清掃
夜間に電車が入庫してから全車両の清掃を行なうスタッフだ。重いものを持つ必要もなく、尚且つそれほど汚い現場でもないが、夜間の割にはそれほど給料は高くない。ちなみに新幹線の清掃と言えば、以前話題になった動画があるので良かったら見てほしい。これは夜間清掃ではなく、折り返し駅で乗客の入れ替え時のわずかに時間に行なわれる清掃である。清掃業であっても高い意識を持ってやると認められると言う良い例でもある。
新幹線、神業の「7分清掃」=「おもてなし」の心で素早く、丁寧に
清掃の仕事のメリット
これはやはり一人で黙々と仕事をこなせることではないだろうか?コミュニケーションに自信のない人や精神的に楽な仕事がしたいと思うのなら、清掃業はぴったりかもしれない。現場によっては一人でできる仕事でもある。
給料は仕事内容によって異なるが、先に挙げたビルや商業施設のメンテナンスのような仕事であれば関連の資格を取得することによってある程度の給料をもらうことも可能だ。特に正社員として長期的に働きたい場合は、大きめの現場の仕事を受注している会社に入るほうが将来的な安定は見込めるだろう。
また遺品整理や不用品回収のような仕事は少し経験を積めば、独立開業をするという方法もある。完全に自分のペースで仕事をすることができるし、後期高齢者が増えている現状で考えればしばらくは仕事がなくなることは考えにくいだろう。