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タクシー運転手は稼げる?元タクシードライバーが教える仕事内容や年収の本当のところ

公共の交通機関として、外に出れば見ない日はないタクシーを支えているのは多くのタクシードライバーですが、このタクシードライバーは慢性的な人手不足だと言われており、高年層の再就職先としても注目されています。

ここではつい最近までそのタクシードライバーをしていた私(50代・男性)が、僭越ながら自分の経験を元にタクシードライバーの実態について書かせていただきます。

求人には困らない職業です

求人誌や求人サイトだけでなく、街中でも各所でタクシードライバーの募集広告を見掛けることがありますが、この業界はそれだけ人手不足だと言うことができます。

と言うもの、このタクシー業界は数年前に参入に対して規制緩和が施行され、一気に業者が増えました。ですが、タクシードライバー自体が増えた訳ではないので、そのドライバーの取り合いになったという面があります。
そして、業者が増えても利用者の数まで増える訳ではないので、お客さんの奪い合いも起きてしまい、収入状況が悪化した為にやめてしまった人も多くいます。

最近ではドライバーの高齢化も問題になっており、新しい人もなかなか定着しない為、タクシー業者では常に人員が不足気味なのです。

他業種からの転職がほとんどです

当然ですが、元が他社のタクシードライバーだという人以外は、全て他業種からの転職です。それも、全く運転が仕事ではなかった人ばかりなのが特徴で、こう言っては難ですが、運転免許さえ持っていれば誰でもチャレンジすることができる職業なので、いざとなった時の転職先として考える人も多いようです。

若い人の採用率が高くなっています

実際にタクシーに乗れば分かりますが、ドライバーには高年層の人が多くなっています。その為、比較的若い人は採用されやすい傾向があります。

タクシードライバーは、まず道を覚えることから始まります。若い人の方がどうしてもこの覚えがいいことと、年齢的に長く勤務してもらえるという期待から、高年層の人より若い人の方を積極的に採用する業者が多いと言えます。

尚、ここで言う若い人とは30~40代を指します。もちろん50代以降でも採用してくれるタクシー業者もありますが、30~40代であれば、ほとんどのタクシー業者で歓迎されることでしょう。

離職率が高い職業でもあります

タクシードライバーの離職率は、かなり高いと言えます。後述する変則的な勤務形態がネックになることが多いようですが、中にはどうしても道が覚えられないという理由からやめてしまう人も少なくありません。

タクシーは営業できる地域が決められています。例えば神奈川県内のタクシー業者は、その神奈川県以外ではお客さんを乗せてはいけません。つまり、覚えるべき道はある程度決まっているので、それを覚えて仕事に活かすことができるかどうかが長く続けられるかどうかに繋がるという訳です。

最近ではナビが付いている車がほとんどですが、それにばかり頼っていては、とてもタクシードライバーは勤まりません。お客さんから見ても、ナビばかり見ているようなドライバーでは不安です。ナビは普段の営業地域外に出る場合のアシスト程度に考えておき、基本的には”そら”で運転ができるようにならないといけません。

メンタル的な部分もあります

中にはどうしてもお客さんとのやりとりが苦手でやめてしまう人もいます。タクシードライバーは客商売なので、こればかりは慣れていくしかありません。

お客さんの中には変な人もいますが、それをうまくいなせるかもテクニックになります。特に酔っ払いの相手は大変ですが、これにも慣れるしかありません。

タクシードライバーに必要になるのは?

タクシードライバーになるのに必要なのは、普通運転免許だけです。過去に大きな事故を起こしたことがあるような場合を除き、多少違反をしたことがあっても、よほどのことでなければそれが問題になることはありません。

この免許はオートマチック限定でも構いません。最近ではマニュアル免許でしか乗れないタクシーしか用意していない業者はほとんどありません。
また、一度それと決まった車にずっと乗ることになります。大きな故障でもしない限り、車を替えることはありません。文字通り自分の愛車となるので、細かいクセなどもしっかり覚えておきましょう。

二種免許を取得させてくれます

多くのタクシー業者では、まず二種免許を取得させてくれます。これを取らないことにはタクシーは運転できないからです。
小さな業者に限り、これを持っていることが条件の場合もありますが、これを個人で取得するには20万円以上掛かることから、取得させてくれる業者を選択しましょう。

この取得には2週間程度は掛かりますが、費用はもちろんその業者持ちで、取得までの間の給与も支給されるので、入社後の金銭的な心配はありません。

二種免許は一度取ってしまうと、その後もずっと有効です。タクシー業者間で転職をする場合には、これを持っているとその為の費用が掛からないので、優遇されるのは言うまでもありません。これがあるので、業界内での転職も多くなっています。

寮が用意されていることも

タクシー業者では社員寮を用意している場合があります。単身の場合はこれがある業者を選択してもいいでしょう。その場合は身一つで就職が可能です。

ですが、あくまで乗務員用の寮なので、利用は単身者限定です。業者によっては寮はなくても、住宅手当が支給される場合があるので、そのような条件もきちんと確認しておきましょう。

勤務形態は?

タクシー業者によっても違いますが、基本は月に12回乗務です。1回が18時間勤務になり、その間に2時間程度の休憩時間があります。

例えば1日の朝9時から乗務した場合、まずは夕方の6時までに合計1時間程度の休憩をとりながら乗務します。そして、更に明けて2日の3時までに更に1時間程度の休憩を挟んで乗務を行うことになります。

この乗務時間以外にも、出発前に制服へ着替えたり、身だしなみやアルコールチェックなどを受ける時間があり、乗務を終えて戻ってきてからは、その日の売上げの清算や、洗車の為の時間がある為、実質的には1勤務で約20時間の拘束時間だと考えておく必要があります。

要は通常の勤め人の2日分を一気に働いてしまう形になるので、上の例では2日の3時までの乗務が終わった後は、次に出勤するには3日の朝9時です。

この勤務が3回続くと、丸1日休みが入ります。この休みは自分で調整することもできますが、私が勤務していたタクシー業者では、基本的に3勤1休の繰り返しでした。勤務の開始時間はその日によって前後することがあり、希望によっても変わります。

よって、丸々1日休める日は月に4日だけになります。他の仕事と比べて休日が少ないかも知れませんが、その分はお客さんを乗せていない時間を使って自分なりにリフレッシュすることが大切です。これがうまくできないと長く続けるのは難しいかも知れません。

9時間勤務の形態もありますが…

サラリーマンのように、毎日9時間勤務という乗務形態を希望できる業者もあります。この場合は毎日朝9時からといった感じで出勤することになりますが、タクシー業界ではこのような勤務はあまり一般的ではありません。

そのような時間帯での勤務が希望の場合、タクシードライバーより路線バスなどの定期的な運行をしている交通機関の運転手の方がいいかも知れません。

肝心の給与について

タクシードライバーの給与は、売上げが全てだと言うことができます。

二種免許を持っていない人がタクシー業者に就職する場合、まずはそれを取得させてくれます。この間こそ固定給がもらえますが、実際に乗務を始めてからの固定給はほんの僅かで、あとは売上げの40~60%がそれに上乗せされる形で給与として支給されます。

私の勤務していた業者では、1乗務の固定給は約5000円で、そこに売上げの50%が加わるという形態でした。これはタクシー業者によって前後しますが、それほど大きくは変わらないでしょう。

これを例として計算すると、1乗務当たりの平均の売上げが4万円の場合、そのうちの自分の取り分は半分の2万円で、それに固定給が加算されるので、1回の勤務で約2万5千円の収入になります。これが月に12乗務なので、月給とすると約30万円程度です。

実際にはここから税金などが差し引かれる為、手取りになるともっと少なくなりますが、タクシーの維持の為の費用は全て業者持ちです。勤め人のように新しいスーツや鞄などが必要になることもなく、一切余計なお金は掛からないので、給与額にしてはお金は残ると考えていいでしょう。

賞与も支給されます

多くのタクシー業者では、1年に2、3回賞与が支給されます。この額は査定期間中の毎月の給与によって算出されるので、やはり売上げが全てになります。

業者によっては毎月の売上げノルマを設定していることがあり、これを達成できない場合、給与にこそ直接は響きませんが、この賞与に大きく響くことがあります。

その他の手当てが支給されることも

その他にも定期的に皆勤表彰や無事故表彰を行っていたり、乗務ごとに食事手当が出る場合など、これらは業者によって様々ですが、色々な手当が用意されています。

前述した住宅手当や、この食事手当があると無いとでは結構違うのは言うまでもありません。これらについては入社前に確認しておいてください。

個人タクシーを目指すこともできます

タクシードライバーには2種類あり、1つはどこかのタクシー業者に就職して勤務している場合で、もう1つは個人でタクシーを経営している場合です。

ここでは前者について説明してきましたが、申請を行うことで、個人でタクシー業者を経営することができます。要は個人事業主として開業する訳です。
これには条件があり、タクシーの乗務歴が10年以上あることと、その申請の直近の3年間は無事故無違反でないといけません。これを満たした上でタクシー事業主として開業する申請が認められれば、個人でタクシー業者になることができます。

個人タクシーとして開業する利点

個人タクシーでは、当然売上げの全てが自分のものになります。その代わりに、もちろんタクシーの維持に掛かる費用は全て自分持ちになり、固定給も入らなくなりますが、同じ売上げがある場合の収入は格段に上がると言っていいでしょう。

以前はタクシーはLPガスで走るタイプの車がほとんどでしたが、最近では市販のハイブリッド車がベースの車も多く、これらは個人タクシーでも多く使用されています。LPガスのタイプに比べて、どこでも給油できるいう点が便利なので、最近の個人タクシーではよく使用されています。
このタクシーも自分で用意しなくてはいけないので、開業にはそれなりの資金も必要になります。そして、上の条件を満たしていても、必ず開業できるものでもありません。資金計画などの提出も必要で、言わば会社を1つ作ると考えてください。(実際には法人ではなく、個人事業主です)

タクシードライバーとしての勤務に慣れてきて、数年も続けていると、いつかはこの個人タクシーとして開業しようと一度は考えるものです。私も考えなかったこともありませんが、色々な理由からそこまでには至りませんでした。

安易に考えてはいけない職業です

タクシードライバーは、どの業者でも慢性的な人手不足なことから、求人には事欠かない職業だと言うことができます。
その為に、失業してしまった場合の転職先として考えられることも多く、必要なのは普通免許だけという点からも、とりあえずやってみようと安易に思わがちな職業ですが、そう甘い仕事でもありません。

ここまでに書いてきたように、営業地域内の道は覚えないことには仕事にならず、客商売としての面も持ち合わせています。変則的な勤務形態にも慣れる必要があり、休日も多くありません。そして何より、真面目に勤務をしていれば結果が付いてくるとも限らない点が挙げられます。

常に人手不足ということは、それだけ離職者も多いということです。確かに比較的受け入れ間口の広い就職先だと言っていいですが、それなりの程度の覚悟がないと、とても続けられるものではありません。

また、次の職が見付かるまでの繋ぎとしては絶対におすすめできません。元々休みの少ない職業で、とてもこの職を続けながら他の職が探せるほどの時間はないので、それだけはやめておいた方がいいでしょう。

ですが、このタクシードライバーという職業は、年齢を重ねた人で経験がなくてもチャレンジすることができる数少ない職業だと言うことができます。決して甘い世界ではありませんが、それほど臆する必要もありません。

私の経験から色々と書かせていただきましたが、少しでもこれからタクシードライバーになろうと考えている人の参考になればと思います。